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想定読者は記憶をなくした自分。
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片岡愛之助の、使えない町役場職員と殿様の二役が面白いー。あの眼光で「築城せよ!」と一喝されると「あ、城作らなきゃ」という気になってしまうw ここは流石に歌舞伎役者ですねえ。見事な謡も披露してくれます。→ 築城せよ! - goo 映画

工場誘致のために潰されようとしているマイナーな城跡に、城主の魂が蘇って住民を巻き込み、400年前の悲願(=築城)を達成しようとするという話。
話が無茶だけに限られた時間内での背景や理由付けの語り方が問われるところですが、城の模型を手にした時の幸せそうな笑顔だけで郷土歴史家のセンセイのロマンチストぶりが分かるし、城主の妻子の墓に今も手向けられる小さな花は、時間を超えて地域内の人の繋がりがあることを教えてくれる。伏線の回収も丁寧。あのハンコがまさかあんな流れに…。でもこういう細かいところが上手い割に、肝心なところが「あれ、何でそうなるの」って感じなので、凄く惜しい気がします。あのドレスも無理すぎる…。
城主のカリスマだけで走ってきた城造りが頓挫し、自分が民から選ばれたリーダーではないことに気付いてから、ドブ板選挙並みの情熱で人心を掴みに行くところあたりが面白いので、もっと盛り上げればよかったのに。

だけどこれ、要はリーダーシップと郷土愛の話なんですね。愛知という土地柄や、そもそも愛知工大が関わった映画だと思えば、モノづくりに対する情熱の話でもある。
工場誘致派の町長も別に賄賂を貰っているわけでもなく、策略家なのも政治家としては間違っていないし、逆に、城主がかつて「城」というハコモノに拘って自分のクニを潰した過去があるという点も話に深みを与えています。

如何にも低予算っぽい匂いですが、自分はこれ結構好きです。中京エリアの経済ニュースを見ていると、得に製造業はこの世の終わりみたいな雰囲気ですがここが踏ん張りどころです。頑張りましょう。まずは「ダンボール工作教室」で観光客集めをですね…(地味すぎるw)【映画感想】
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